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ここで単位時間(分)当たりに蓄積する「身体疲れ」度合いは表1.1−1のように表すことができる。

 

表1.1−1 「身体疲れ」度合

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これは、健常者の歩行時の“1O”を基準して設定したものであり、着席時以外について、高齢者は健常者の1.6倍としている(歩行速度の関係より)。(階段については「障害度」にて後述する)
(例)身体疲れの算定
健常者が3分停留所まで歩き、5分バスを待って、7分バスに乗った場合
f=10×3+6×5+2×7=74 と算定する。

 

?障害度(“barrier”)
「蓄積疲れ」をベースとした累積ストレス評価法は単純な線形モデルであり、「疲れ」を「時間」に比例するとしている。従って、「時間」に比例しないストレスを当モデルに適用する場合は、モデルの簡略化の意味も合わせてそれらを一括して「障害度(”barrier”)」の範疇に含めユニット的に扱うことにする。時間に比例しないストレスとはすなわち「階段」の昇降にかかるストレス(図1.1−1参照)」や「駅員や通行人にヘルプを求める際のストレス」と云ったことである。
a. 階段の段差に対する健常者と高齢者、そして手すりの有無による違い
図1.1−1に示すように、高齢者でも「手すり」があれば段差20cmの階段も昇降することが可能であるが、段差30cmを越えたときから、極端に昇降不可能者が現れ始める。
「手すり」のない場合、段差20cm以上の昇降は困難である。

 

 

 

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